2月16日から、高知県立坂本龍馬記念館で特別展「龍馬の師―勝海舟生誕二百年」展が開催されています。この特別展に、当館から渡辺昇宛て坂本龍馬書状を出品しています。当館でも数回展示してきた書状ですが、ついに故郷の土佐へと「里帰り」しました。天国の龍馬も喜んでいるのでは、と思います。
出品の理由は、この書状に「勝先生」、すなわち勝海舟の名前が記されているからです。慶応2年(1866)9月のものと推測される本書状は、勝が長州から熊本へ行くようだ、という伝聞情報を渡辺に伝えています。この年は、幕末の転換点となった第二次長州征討が行われた年。そして、長州との停戦交渉を行ったのが、他ならぬ勝でした。
勝は8月から9月にかけて交渉を行い、見事ミッションを達成して京都へと戻りました。つまり、龍馬が渡辺に伝えた情報は、結果的に誤りだったのです。
勝と龍馬は師匠と弟子の関係でしたが、この時は敵対する可能性がありました。不確実な情報でも、あえて伝えなければならないほど、龍馬にとって勝は注意すべき人物だったのでしょう。一方、書状には「勝先生」と敬意を込めて記しており、ここに勝を尊敬していた龍馬の姿がうかがえます。
特別展は4月16日(日)まで。龍馬ファンや勝ファンだけでなく、多くの皆様に御覧いただけたら嬉しいぜよ。
【展覧会情報】
・展覧会名:龍馬の師―勝海舟生誕二百年
・会 期:令和5年2月16日(木)~4月16日(日)
・会 場:高知県立坂本龍馬記念館
高知県高知市浦戸城山830番地
TEL.088-841-0001/FAX.088-841-0015
E-mail:ryoma@ryoma-kinenkan.jp
URL:https://ryoma-kinenkan.jp/