学芸員ブログ

近代資料室で戦時紙芝居の見本が読めます

2023年7月12日

近代資料室に紙芝居の見本2種類を設置しました。

ファイルから外してバラバラにできるので、本物の紙芝居のように読んでみてください。

戦前の子どもへの軍国教育の一端がうかがえます。

 

 

『ゲンコツ軍曹』 昭和12年 全甲社発行

日中戦争の頃に発行された紙芝居です。

部隊長が戦死した戦場で、失明した「拳骨軍曹」と足を負傷した「日の丸上等兵」が協力し、少尉の指示で伝令となって本隊に支援を求めに行く内容です。

序盤には、慰問袋に入っていた小学1年生の男の子からの励ましの手紙を読み、仲間と士気を高めるシーンがあります。

 

『爆撃荒鷲隊』 昭和14年 全甲社紙芝居刊行会発行

日中戦争時の荒鷲隊の活躍の物語です。

荒鷲隊とは陸海軍の戦闘機部隊を称した呼び方です。

主人公をはじめとした航空兵や、航空機の整備にあたる整備員との絆の深さが、戦闘を勝利へ導いたという内容です。

航空機は第一次世界大戦で戦場に登場してから、兵器としての需要が高まりました。